HY「366日」の歌詞の意味を考察! 匂いや しぐさや 全てを

この歌は、終わってしまった恋への未練と、それでも相手を想い続けてしまう切ない心情を描いています。全体を通して、過去の幸福な記憶と現在の孤独な状況が対比され、忘れられない相手への強い想いが痛切に伝わってきます。

忘れられない面影

歌詞の中で特に印象的なモチーフは、「匂い」という言葉です。サビの部分で繰り返される「恐いくらい覚えているの あなたの匂いや しぐさや 全てを」というフレーズは、五感の中でも特に記憶と強く結びついている「匂い」を通じて、相手の存在が鮮明に思い出される様子を表しています。それは単なる過去の記憶ではなく、まるで今もそこにいるかのような生々しさを伴い、主人公の心を強く揺さぶります。

「匂い」は、目に見えないけれど確かに存在し、特定の感情や記憶を呼び覚ます力を持っています。この歌において、「匂い」は、楽しかった日々、温かい触れ合い、そして何よりも相手の存在そのものを象徴していると言えるでしょう。別れてしまった今となっては、その「匂い」を直接感じることはできず、記憶の中の「匂い」だけが、失われた愛の証として、主人公を苦しめ続けるのです。それは、触れることのできない幻影であり、追い求めるほどに現実の不在を突きつける、残酷なモチーフと言えるかもしれません。

募る未練と葛藤

冒頭の「それでもいい それでもいいと思える恋だった」というフレーズは、相手との関係がすでに困難な状況にあったにもかかわらず、主人公がその恋に深くのめり込んでいたことを示唆しています。「戻れないと知ってても 繋がっていたくて」という切実な願いは、理性では理解していても感情がそれを拒んでいる、主人公の複雑な心境を表しています。初めて抱いた特別な感情だったからこそ、容易には手放せないのでしょう。

しかし、関係は徐々に悪化し、「たまにしか会う事 出来なくなって」「口約束は当たり前」という状況は、二人の間に距離が生まれていたことを物語ります。それでも「それでもいいから…」と願う主人公の姿は、相手への深い愛情と、わずかな希望にすがりたいという気持ちの表れでしょう。

二番の歌詞では、さらに状況が悪化し、「いつしかあなたは会う事さえ拒んできて」と、一方的に関係を断たれてしまったことが語られます。愛しい人からの拒絶は、主人公にとって計り知れないほどの苦痛だったでしょう。「一人になると考えてしまう あの時 私 忘れたらよかったの?」という問いかけは、後悔の念とともに、過去の選択を振り返りたいという切実な思いが伝わってきます。しかし、「でもこの涙が答えでしょう? 心に嘘はつけない」というフレーズは、理性では忘れようとしても、心が相手を求め続けているという、抗えない感情を吐露しています。

忘れられない人

サビでは、「叶いもしないこの願い あなたがまた私を好きになる そんな儚い 私の願い」と、現実にはありえないと分かっていながらも、相手の気持ちが再び自分に向くことを願う、切ないまでの想いが繰り返されます。「今日もあなたに会いたい」というストレートな言葉は、抑えきれない longing を表しており、聴く者の胸に深く突き刺さります。

ブリッジ部分の「恋がこんなに苦しいなんて 恋がこんなに悲しいなんて 忠わなかったの 本気であなたを思って知った」という叫びは、初めて経験する深い悲しみに打ちひしがれる主人公の心情を表しています。純粋に相手を想うことによって知った苦しみは、主人公にとって予想外であり、受け入れがたいものだったでしょう。

最後の「あなたは私の中の忘れられぬ人 全て捧げた人 もう二度と戻れなくても 今はただあなた…あなたの事だけで あなたの事ばかり」という言葉は、この歌全体の感情を凝縮しています。相手は主人公にとって、かけがえのない存在であり、全てを捧げた人なのです。たとえ二度と関係が戻らなくても、今も、そしてこれからも、主人公の心はただ一人、その人だけを想い続けるでしょう。

肯定的なニュアンスの単語

いい、好き、本気

否定的なニュアンスの単語

戻れない、儚い、拒んできて、忘れたら、涙、嘘、恐い、おかしい、別れている、苦しい、悲しい

紡ぎ出される物語

それでもいいと思えただったが、戻れないと知りする日々。儚い願いは届かず、拒んできて別れている今も、恐いほどに好きだったあの人の面影を追う。はつけない心は、苦しいほどに悲しいと叫び、ただひたすら、忘れられぬあなたを想うばかり。

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