この歌詞は、「本当のしあわせ」 を追い求める中で見出した、かけがえのない他者への深い愛情と、その存在そのものへの感謝の念を歌い上げています。全体を通して、飾らない感情や日常の中にこそ幸福が宿るという、普遍的でありながらも個人的な感情が繊細に描かれています。
1. 「愛し愛されたい」という原点
冒頭の「本当のしあわせを さがしたときに 愛し愛されたいと 考えるよになりました。」という一節は、幸福の探求の出発点を示しています。人は孤独ではなく、他者との繋がりの中でこそ幸福を感じるという、根源的な欲求が率直に表現されています。「愛する」と「愛される」は双方向の感情であり、この二つが満たされることへの希求が、物語の始まりとなっています。
2. 深い理解と共感
続くプレコーラスでは、「そしてあたしは君の強さも 隠しがちな弱さも汲んで」と、特定の相手への深い理解と共感が示されます。相手の表面的な強さだけでなく、奥底に秘められた弱さまでも受け止めようとする姿勢は、単なる好意を超えた、より深い愛情の表れと言えるでしょう。相手の全体像を理解しようと努めることで、より強固な信頼関係が築かれていることが伺えます。
3. 「時の流れと空の色」への諦念と、揺るぎない感情
サビの「時の流れと空の色に 何も望みはしない様に 素顔で泣いて笑う君に エナジィを燃やすだけなんです」という部分は、この歌の重要な核となる感情を表しています。自然の摂理である「時の流れ」や、変化し続ける「空の色」といった、自身ではコントロールできないものに対して期待することをやめ、目の前にいる「素顔で泣いて笑う君」という、等身大の相手の存在そのものにエネルギーを注ぐという決意が表明されています。飾らない感情をさらけ出す相手の姿こそが、歌い手の幸福の源泉となっているのです。
4. 身近にあった「本当のしあわせ」
二番の冒頭では、「本当のしあわせは目に映らずに 案外傍にあって気付かずにいたのですが…」と、幸福が遠くにあるものではなく、意外にも身近な場所に存在していたことへの気づきが語られます。日常の中に埋もれてしまいがちな小さな幸せに気づくことの重要性が示唆されています。
5. 温もりと安心感
続くプレコーラスの「かじかむ指の求めるものが 見慣れたその手だったと知って」というフレーズは、具体的な触覚の描写を通して、相手の存在がもたらす安心感や温もりを伝えています。冷えた指が求める「見慣れたその手」は、日常的でありながらも、かけがえのない繋がりを象徴しています。
6. 全身全霊の守護
二度目のサビでは、「あたしは君のメロディーやその 哲学や言叶、全てを 守る為なら少し位 する苦労もいとわないんです」と、相手の個性や存在そのものを守り抜くという強い決意が示されます。「メロディー」「哲学」「言葉」は、その人となりを表すものであり、それら全てを守るためには、困難も厭わないという献身的な愛情が伝わってきます。
7. モチーフ:「素顔」の意味
この歌詞全体を通して重要なモチーフとなるのは、サビにも登場する**「素顔」**という言葉でしょう。これは、飾らないありのままの姿を意味します。歌詞の中では、「素顔で泣いて笑う君」という形で、相手の自然な感情の発露として描かれています。
「素顔」は、この歌における「本当のしあわせ」と深く結びついています。飾らない感情を共有できる関係性、ありのままの自分を受け入れてもらえる安心感、そうしたものが「本当のしあわせ」の本質であると歌は示唆しているのではないでしょうか。相手の強さも弱さも、喜びも悲しみも、全てを包み込む愛情があるからこそ、相手は「素顔」でいられる。そして、その「素顔」こそが、歌い手にとって何よりもかけがえのない、エネルギーの源となるのです。
最後のサビでは、「素顔で泣いて笑う君の そのままを愛している故に」と、この「素顔」への愛情が改めて強調されます。相手の表面的な部分ではなく、内面から湧き出る感情、そのありのままの姿を愛しているからこそ、相手の全てを守り通したいという強い思いが生まれるのです。「君が其処に 生きているという真実だけで 幸福なんです」という結びの言葉は、「素顔」で生きる相手の存在そのものが、歌い手にとっての最大の幸福であることを力強く示しています。
肯定的なニュアンスの単語
- 本当の
- しあわせ
- 愛し
- 愛されたい
- 強さ
- 汲んで
- 望みはしない様に
- 素顔で
- 笑う
- エナジィ
- 傍に
- 気付かずにいた
- 求める
- 見慣れた
- 守る
- いとわない
- 愛している
- 守り通します
- 生きている
- 真実
- 幸福
否定的なニュアンスの単語
- 隠しがちな
- 弱さ
- 泣いて
- かじかむ
- 苦労
歌詞に沿ったストーリー
本当の しあわせを探していた時、誰かと愛し、そして愛されたいと願うようになった。あなたは強さの中に、隠しがちな 弱さも持っている。それでも私は、あなたの全てを汲んで理解したい。時の流れや空の色に多くを望みはしない様に、素顔で 泣いて、そして笑うあなたに、私はエナジィを燃やしている。本当の しあわせは、目に映るものではなく、案外傍にあって、今まで気付かずにいた。かじかむ指が求めるものは、いつの間にか見慣れたあなたの手だったと知った。あなたのメロディー、その哲学、そして言葉、全てを守る為なら、少し位の苦労もいとわない。時の流れと空の色に何も望みはしない様に、素顔で 泣いて 笑うあなたのそのままを愛している。だから、あなたのメロディー、その哲学、言葉、全てを守り通します。あなたが其処に生きているという真実、それだけで私は幸福なんです。
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