この歌詞は、過去の些細な選択や偶然の出来事が、現在におけるかけがえのない出会いや感情へと繋がっている様子を描写しています。もしも過去の異なる瞬間に異なる行動を取っていたら、今の二人の関係性は存在しなかったかもしれないという、運命の糸のようなものを感じさせる内容です。未来への希望を抱きながら、その繋がりが続いていくことを願うような、力強いメッセージが込められています。
1. 重要なモチーフ：「プラズマ」
この歌詞の中で特に重要なモチーフとして抽出できるのは、サビに登場する「プラズマ」という単語です。
- 強烈なエネルギーと未知の可能性: 物理学においてプラズマは、原子核と電子が分離した、非常にエネルギーの高い状態を指します。この歌詞における「プラズマ」は、主人公たちの目の前に現れる、圧倒的な力を持つ何かとして描かれています。それは、予測不可能で、時に危険を伴うかもしれないけれど、同時に新しい世界や可能性を切り開くような、強烈なエネルギーの象徴として捉えることができます。二人の関係が、予期せぬ強い力によって突き動かされ、新たな局面へと進んでいく様子を暗示しているのではないでしょうか。
- 宇宙的な広がりと未来への飛躍: 「宇宙の彼方」「何光年」といった言葉と共に登場する「プラズマ」は、単なる日常的な出来事ではなく、宇宙規模の壮大な出来事の中に二人が巻き込まれていくような印象を与えます。それは、二人の出会いが、個人的な範囲を超えた、より大きな運命の流れの中にあることを示唆しているのかもしれません。未来に向かって突き進む二人の勢いや、未知の領域へ飛び込んでいくような希望に満ちた感情を、「プラズマ」の持つエネルギーが象徴していると考えられます。
- 視覚的なインパクトと感情の爆発: 「目の前をぶち抜くプラズマ」という表現は、非常に強い視覚的なイメージを喚起します。それは、衝撃的な出会いや、抑えきれない感情の爆発のようにも解釈できます。それまで知らなかった感情や世界に触れ、心が激しく揺さぶられる瞬間を、「プラズマ」の強烈な光やエネルギーが表現しているのかもしれません。痣や傷にすら気づかないほど見蕩れてしまうという描写からも、その衝撃の大きさが伝わってきます。
2. 過去の分岐点と現在の繋がり
歌詞の冒頭やVerse 2では、「もしもあの時〜していれば」という仮定の表現が繰り返されています。これは、過去のわずかな選択や出来事が、現在の状況を大きく左右している可能性を示唆しています。もし改札の前で立ち止まらずに歩いていたら、裏門を越えていなければ、人混みの中で手を離さなければ、不意に出た声を飲み込んでいれば、現在の「君」との出会いや関係は存在しなかったかもしれないのです。
しかし、実際には過去の様々な出来事を経て、現在の「君」と出会い、共にいるという事実があります。Pre-Chorusで描かれる、ボールが額に当たったという一見些細な出来事が、「愛だと知った」きっかけになったという描写は、運命の不思議さや、何気ない瞬間にこそ重要な意味が宿っていることを示唆しているでしょう。
3. 未来への希望と二人の関係性
サビでは、「飛び出していけ宇宙の彼方」「踏み出した体が止まらない」といった力強い言葉が繰り返され、未来への積極的な姿勢が示されています。「プラズマ」という強烈なエネルギーに導かれるように、二人は未知の領域へと進んでいくようです。遠く聞こえる「君の声」が、その行動を後押しする力となっていることがわかります。「光っていく」という最後のフレーズは、二人の未来が明るく照らされていること、あるいは、二人の関係が深まり、輝きを増していくことへの希望を表していると解釈できるでしょう。
Bridge部分では、改札口を抜け、肌を突き刺す粒子や逃げ惑う鼠といった、少し不安や現実的な要素も描かれていますが、その後の流れ星のイメージは、困難を乗り越えた先にある希望の光を示唆しているようにも感じられます。
肯定的なニュアンスの単語
幸せ、輝き、光って、届いて、光って、光って、叫んだ、色づいてく、飛び出していけ、見蕩れていた、止まらない、聞こえている、光っていく、流れ星、確かに、愛
否定的なニュアンスの単語
汚れ、擦りむいた、眩暈、金網、転がり落ちた、痣、傷、離さなければ、飲み込んでいれば、いやしなくて、いなかった、倒れる、酷く、逃げ惑う
歌詞に沿ったストーリー
もしもあの改札の前で立ち止まらず歩いていれば、幸せに生きていただろうか。裏門を越えなければ、輝きは汚れに変わっていたかもしれない。眩暈がした夜明け前、光って光って光って叫んだ声は、金網を越えて転がり落ちた刹那、世界を色づいてくように変えた。飛び出していけ宇宙の彼方、目の前をぶち抜くプラズマにただひたすら見蕩れていた。痣も傷も知らずに、踏み出した体は止まらない。今、君の声が遠く聞こえている、そして私たちは光っていく。改札口をくぐり抜け、肌を突き刺す粒子の中、路地裏の夜空には流れ星。もしも君の手を離さなければ、もしもあの声を飲み込んでいれば、君はどこにもいやしなくて、僕もここにいなかっただろう。あの日、君の放ったボールが額に当たって倒れる刹那、僕は確かに見た、これが愛だと知った。
コメント