やみの おねえさん「きょういくばんぐみのテーマ」の歌詞の意味を考察! きょういくばんぐみが示すものとは

1. 冒頭の問いかけと日常への不満

歌詞は、日常に対する漠然とした不安や不満を抱える心情から始まります。「まいにち じょうちょが ふあんていで いつも いやに さきぞう」「そこそこ プライド たかいのに なにも できない ゴミカスだ」というフレーズは、自身のプライドと現実の無力さとのギャップに苦悩する様子を表しています。毎日のように感情が不安定で、将来に対する漠然とした不安を抱え、高いプライドを持っているにも関わらず何もできない自分を「ゴミカス」とまで自嘲しています。

続く「「とっくに ゆめみおわった さめための わたしに いつまで ばんやり いきてるの?」」「おとなになれない きぶんやみ なか」という問いかけは、夢を見ることができなくなった冷めた自分に対して、いつまでぼんやりと生きているのかという焦燥感や、大人になりきれない不安定な精神状態を表しています。

2. 繰り返される孤独と諦念

「いきるのつらい しぬのこわい もう おどるしかない(ぱーりーない)」「こんなおれを せめて わらってくれ へたに どうじょう しないで(みじめになるよ)」という部分は、生きることの辛さと死ぬことへの恐れを感じながらも、もはや踊ることしかできないという諦めにも似た感情を示唆しています。他者からの同情を拒否し、せめて笑ってほしいと願うことで、孤独感を深めています。

3. 未来への閉塞感とわずかな光

「うまく いかない なぜか なみだも でやしない」「そうしてるうちに よが あけてく」「きょうも きょういく ばんぐみ はじまるよ」というフレーズは、物事がうまくいかない状況で涙さえ流せない感情の麻痺と、それでも朝は来て、変わらない日常が始まるという閉塞感を表現しています。「きょういく ばんぐみ」という言葉には、単調で希望のない日常を象徴するようなニュアンスが感じられます。

4. 自己嫌悪と他者への羨望

「まわりは すぐれた ひとだらけ くうきが よめず はじさらし」「このように うまれた いきもの で いちばん ぶざまな ゴミカスだ」という部分は、周囲の優れた人々との比較による自己嫌悪感と、空気の読めない自分への恥ずかしさを強烈に表現しています。自分自身を「いちばん ぶざまな ゴミカス」とまで卑下しており、深い絶望感が伝わってきます。

5. 希薄な人間関係と空虚な幸福

「だれもが うらやむ あのこさえも ひとりで なやんで くびをつる」「しょせん しあわせは まぼろし ゴール なんか そんざい しないよ」というフレーズは、誰もが羨むような人でさえ孤独に悩み苦しんでいる現実を示し、幸福は幻であり、目標など存在しないというニヒリズム的な考えを表明しています。人間関係の希薄さや、社会に対する不信感が感じられます。

6. 再び繰り返される諦念と無力感

「いきるのつらい しぬのこわい もう おどるしかない」「すきなものも ひととも おんがくも いまは なにも みたくない」という部分は、再び生きることの辛さと死ぬことへの恐れが繰り返され、好きなものや人、音楽さえも見たくないという強い無気力が示されています。精神的な疲弊が極限に達している様子がうかがえます。

7. 過去への後悔と現在への絶望

「おどりたかった わらいたかった しあわせになりたかった」という過去への願望は、現在の満たされない状況をより一層際立たせています。かつて抱いていたであろう希望が失われ、後悔だけが残っていることがわかります。

8. 繰り返される日常とわずかな希望の否定

「そうしてるうちに ひがくれてく」「きょうも きょういく ばんぐみ おわらない」「きょうも きょういく ばんぐみ はじまるよ」という最後の部分は、日が暮れても終わらない単調な日常が繰り返されることを示唆し、わずかな希望さえも打ち消すような絶望感が漂っています。「きょういく ばんぐみ」が終わらないという表現は、この閉塞的な状況が永遠に続くかのような印象を与えます。

肯定的なニュアンスの単語

  • プライド (自己肯定感の裏返しとしての可能性)
  • わらって (他者へのわずかな希望)

否定的なニュアンスの単語

  • ふあんでい (不安定)
  • いや (嫌)
  • さきぞう (先行き不安)
  • ゴミカス (自己卑下)
  • ゆめみおわった (夢見終わった)
  • さめた (冷めた)
  • ばんやり (ぼんやり)
  • きぶんやみ (気分病み)
  • つらい (辛い)
  • こわい (怖い)
  • おどるしかない (諦め)
  • せめて (自己憐憫)
  • へたに どうじょう しないで (拒絶)
  • みじめ (惨め)
  • うまく いかない (不調)
  • なみだも でやしない (感情麻痺)
  • よが あけてく (虚しい時間の経過)
  • きょういく ばんぐみ (単調な日常の象徴)
  • すぐれた (劣等感の対象)
  • くうきが よめず (孤立)
  • はじさらし (恥)
  • ぶざまな (醜い)
  • うらやむ (嫉妬)
  • なやんで (悩み)
  • くびをつる (自殺願望)
  • まぼろし (幻)
  • そんざい しない (否定)
  • おんがくも みたくない (無気力)
  • しあわせになりたかった (過去の願望)
  • ひがくれてく (絶望的な時間の経過)
  • おわらない (終わらない苦しみ)

歌詞に沿ったストーリー

高いプライドを持つ主人公は、毎日のふあんでいな感情といやな予感に苛まれ、将来へのさきぞうを感じています。理想とはかけ離れた何もできない自分をゴミカスだと感じ、夢を見ることを諦めたさめた目で、いつまでばんやりと生きているのかと自問自答します。大人になりきれないきぶんやみの中、「つらい」「こわい」と感じながらも、もはやおどるしかないと諦念を抱きます。そんな自分をせめて わらってほしいと願いながらも、へたに どうじょう しないでくれと拒絶するのは、みじめな自分をさらに突きつけられるから。何をやってもうまく いかない状況に、涙さえも出ず、ただ虚しく夜が明けて、今日もまた単調なきょういく ばんぐみが始まります。周りのすぐれた人々をうらやむ気持ちと、くうきが よめずはじさらしな自分への嫌悪感から、ぶざまな存在だと深く落ち込みます。誰もがうらやむような人でさえ一人でなやんで自ら命を絶つという現実に触れ、しあわせまぼろしで、ゴールなどそんざい しないのだと感じます。生きることはつらい、死ぬことはこわい。もはやおどるしかない。好きなものも人も音楽も、今は何もみたくない。かつてはおどりたかったわらいたかったしあわせになりたかったと願う過去の自分が遠い日の夢のようです。そうしているうちに今日も日が暮れていき、終わりのないきょういく ばんぐみがまた明日も始まるのです。

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